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西いなば気楽里通信

西いなば気楽里通信R3.4月号

今月の特集

シリーズ「西いなば探訪」④ 甦る弥生の博物館 ~青谷上寺地遺跡~(鳥取市青谷町)
史跡公園イメージ
 動きはじめた史跡公園整備

 令和2年度、いよいよ青谷上寺地遺跡(平成20年国史跡指定)の本格的な史跡公園整備工事が始まりました。最初に山陰道南側で「展示ガイダンス施設」や広場の工事が令和5年秋のオープンを目指して進んでいきます。そして、令和11年度には、山陰道の北側を含む史跡公園全体のグランドオープンが予定されています。第1次発掘調査がスタートしてから20数年経過。弥生時代の青谷上寺地へ、2000年を超えるタイムトンネルの扉がまもなく開かれようとしています。私たち西いなばの誇り・青谷上寺地遺跡を益々大切に育んでいきましょう。


◆弥生時代の本物に感動する◆

 史跡公園は「弥生時代の真実にせまる」をテーマに、遺跡の調査研究成果に基づき、弥生時代の景観をイメージすることができるように整備されます。 

 また、展示ガイダンス施設の整備テーマは「弥生時代の本物に感動する」。重要文化財に指定された出土品などを間近に観察できる展示施設や、弥生人のDNA分析など最新の研究成果も情報発信できる施設となる計画です。

周辺航空写真

地下の弥生博物館  

 青谷上寺地遺跡の最初の発掘が行われたのは平成10年。青谷町の西側を流れる勝部川と東側を流れる日置川の合流点の南側、青谷平野の中央部、山陰道と県道青谷停車場井手線の建設予定地で3年余りかけて約5万5千平方メートルが調査されました。この調査で、弥生人の脳をはじめ国内初・山陰初となるものが多く発見されるとともに、出土品の保存状態が群を抜いて良好だったため、「地下の弥生博物館」として全国的にたいへん注目されています。


「遺跡発見ひろば」周辺の現在の様子。青谷上寺地遺跡はここから始まりました。

◆重要文化財「青谷上寺地遺跡出土品◆

 多数の出土品のうち、国内外との交易の実態を示す精巧な木製品や玉類、大陸由来の銅鏡や銭貨をはじめ農工具や漁労具、武器・武具、楽器や絵画資料等々その数1,353点。弥生集落の姿をうかがい知るうえで欠かすことのできない内容を持つことが高く評価されています。(令和元年7月指定)

◆特筆すべき弥生の遺物◆

   青谷上寺地遺跡は低湿地にあります。遺物は水分を大量に含んだ土の中で、いわば真空パックされたように眠っていたため、たいへん良好な状態で出土しており、その資料価値は極めて高いと云われています。


※ 日本最古となる弥生人の脳3点の発見は日本初。


※ 人骨5,300点余は弥生時代後期のもので100人分を超えます。うち110点、10数人分の人骨には殺傷痕があり、何らかの争いがあったとも考えられています。また、日本最古の結核の症例となる脊椎カリエスも確認されています。

鳥取県・島根県の主な遺跡年表

今特集で参考にした文献等

パンフレット「国史跡・青谷上寺地遺跡」・「青谷上寺地遺跡の世界」(とっとり弥生の王国推進課)
「青谷かみじち遺跡NEWS.17号」(青谷上寺地遺跡整備室)、「青谷上寺地遺跡展示館ホームページ」

  


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