西いなば気楽里通信
西いなば気楽里通信R3.6月号
今月の特集
シリーズ「西いなば探訪」⑥ 西いなばが生んだ稀代の石彫アーティスト~川六(かわろく)~
幕末のころ西いなば地域を中心に活躍した川六こと川積(青谷町北河原)の石工・尾崎六郎(良)兵衛。生年は不明ですが没年は明治維新間近、慶応元(1865)年12月11日です。墓石は見当たりませんが、北河原の中興寺の過去帳によると戒名は「鑿巌良巧信士」。"鑿(のみ)"・"巌(いわお・いわ)"・"良"・"巧"など一文字一文字に、名石工として誉れ高かったことが伺えます。
現在、川六の作品は青谷町を中心に鳥取地域から湯梨浜町にかけて40数点ほど確認されています。その種類は、狛犬はじめ灯籠・鳥居・地蔵尊・題目塔など多種におよび、自然の石の風合いを活かした躍動感あふれる作品や細やかな模様いっぽん一本まで緻密に彫り込んだ作品等々、石を知り尽くし石を自由自在に操る匠の感性やその技は、150年を経てなお私たちに大きな感動を与えてくれます。
【データ】西いなば地域にある川六の石造物
展覧会図録のご案内~鳥取市あおや郷土館~
本号制作にたいへんお世話になったのが、あおや郷土館が編集・発行されたこの図録です。平成28年秋に開催された「没後150年記念 川六展 -因州が誇る幕末の名石工-」の展覧会図録です。当時確認されていた川六の作品が全て紹介されています。また、作品所在地へのマップや"川六ファンクラブ"の皆さんの熱いコメントに触れることができます。
◆この図録は「あおや郷土館」でご購入いただけます。
◆A4版 約60頁 1冊990円(税込)
※その他「因州・鳥取の角力取(770円)」「戦国の知将亀井茲矩(1000円)」「夏泊の海女(990円)」等販売中。興味深い資料が満載されています。